新築と中古はどっちが良い?|サラリーマン不動産投資入門

スポンサードリンク

新築と中古はどっちが良い?|サラリーマン不動産投資入門

不動産投資をすると決めたのはいいが、新築で始めたほうがいいのか、中古物件を購入したほうがいいのか、迷う問題だと思います。

両方ともメリットとデメリットがありますので、性質をとらえて、勉強したうえで、自分の環境や性格なども考慮して決定するとよいと思います。


とりあえず表にまとめてみましょう。

投資手法 購入
価格
利回り 家賃
収入
空室率 修繕費 融資 設備等
新築
不動産
・ひきやすい
・長期借入可能
最新の設備、間取り
中古
不動産
・ひきにくい
・長期借入が困難
3点ユニットなど、不人気な設備であることが多い


■新築アパート購入時のシュミレーションをしてみよう!

新築アパートは当然のことながら中古アパートよりも初期投資額は大きくなります。
ただし、銀行融資をひくことでサラリーマンでも購入可能です。

中古アパートよりも高いということは、当然メリットとなる部分も持ち合わせています。

メリット@
当面の間、不具合や大規模補修などの修繕コストが小さい

メリットA
最新の設備や人気の間取りで建築することで、空き室率が低い
(入居者からの人気が高い)

メリットB
木造であれば、22年の法定耐用年数が丸々残っているので、銀行融資をひきやすい
また、長期の借入期間で融資をひくことが可能


メリットとしては、こんなところです。


このメリットが『中古アパートよりも高い』というデメリットに打ち勝つことができるのかという点が争点になります。



では、新築アパートのシュミレーションをしてみましょう。

たとえば、頭金500万円で表面利回り8%の6,000万円の新築アパートを30年ローンで購入した場合、

例)
購入額:6,000万円
表面利回り:8%
頭金:500万円
ローン:5,500万円(30年 , 2%)
↓↓↓
【支払】
毎月返済額:203,290円
経費(毎月按分):70,000円(管理会社へ20,000円、その他経費 月平均50,000円)

【収入】
満室時の毎月家賃収入:400,000円(5万円×8室)
空き室率:5%
↓↓↓
実質の毎月家賃収入:38万円

【手残り(家賃収入 - 支払額)】
106,710円

となり、毎月の手残り額は106,710円となります。

ただ、この良い状態が30年続くわけではない点に注意が必要です。

10年くらい経てば、『新築アパート』ではなくなるので競争力もなくなり、家賃も下落します。
そのころから突発的な修繕も増えるので、修繕費用も増えてきます。
空き室率も増えてくるでしょう。

これらの問題を、解決しながら30年ローンを完済していくことになります。


新築アパートで、最も良い時期は最初なので、この時期にでた手残り収益を貯めておくことが重要となるかもしれません。


また、完済時期が30年後となるので、ちょっと気分がだれてしまいそうな気もしますね(笑)



■中古アパート購入時のシュミレーションをしてみよう!

中古アパートは新築アパートと比較すると安くなっています。
また、おなじ価格であれば、中古アパートのほうが利回りが高くなります。

高利回りであることで、アパート経営としてみたときに利益が出る構造となるため、魅力があります。

中古であるため、売り出し価格が低い物件もあります。
小さい中古アパートであれば2000万円以下でも、数多く出ています。

投資額が低いということで、サラリーマン不動産投資には向いていると言えるでしょう。

ただし、安いということは、、、、、
中古ならではのデメリットもあります。

これは、上で説明した新築アパートのメリットの裏返しですね。


デメリット@
不具合や大規模補修などの修繕コストがかかる。
水回りや外壁、屋根などの補修が必要となった場合には高額なコスト負担も。

デメリットA
不人気な設備、不人気な間取りとなっていることが多く、空き室率が高くなる傾向に。
不人気であるため、家賃を下げて対抗することになる。

デメリットB
法定耐用年数があまり残っていないことが多く、銀行融資をひきにくい
また、長期の借入期間で融資をひくことが困難


といった感じです。

物件の老朽化は、それまでの物件の管理状況によって異なるので、中古物件は『あたり』『はずれ』があります。
『はずれ』をつかんでしまうとたとえ初期費用は低くても、運営費用が大きくなり、投資失敗となりかねません。

満室物件では、部屋の中を確認できないことも多いので、正直なところ運次第といった面もあります。

最低限、買う前に見ることができる瑕疵についてはチェックして『はずれ』を引く確率を下げる努力が必要となります。

また、銀行融資がひきにくいことも、デメリットとして大きいです。

サラリーマンとしての属性が高くないと、門前払いの可能性もあります。
(給与が高い、大企業に勤めている、など)

金利の高い融資なら引くことが可能である場合もありますが、その場合でも収益率は落ちてしまいます。
当然、長期間の融資は困難です。

しかし、これらの融資のデメリットは、逆にメリットでもあります。

参入障壁が高いということは、儲かる物件が残っている可能性が高いということでもあります。
これを乗り越えて買った場合には、成功する可能性も高くなります。

※中古物件でも、融資が簡単な積算評価の高い物件もありますが

それでは、中古アパートを購入した場合のシュミレーションをしてみましょう。

たとえば、表面利回り12%の3,000万円の中古アパートを15年ローンで購入した場合、

例)
購入額:3,000万円
表面利回り:12%
頭金:300万円
ローン:2700万円(15年 , 2.5%)
↓↓↓
【支払】
毎月返済額:180,033円
経費(毎月按分):73,000円(管理会社へ13,000円、空き室現状回復費用など 月平均60,000円)

【収入】
満室時の毎月家賃収入:300,000円(3万円×10室)
空き室率:15%
↓↓↓
実質の毎月家賃収入:255,000円


【手残り(家賃収入 - 支払額)】
1,967円

こちらは、1,967円が手残りとなります。


この状態を15年続けて、ローンを完済すれば
毎月18万円程度が入ってくる資産を手に入れることになります。

頭金の300万円を出しただけで、入居者が出したお金でローンが完済。
15年後にはアパート1棟が手に入ると思うのか。

それとも、300万円も出したのに、手残りが1967円、、、、、。

と思うのかは、意見が分かれるところかもしれませんね。


不動産投資は最初の1棟が一番困難です。
しかし、1棟を完済してしまえば、ローン返済の無い収入が確保されます。
そうすれば、複数の不動産取得へとステップアップが簡単になります。

まずは、1棟取得して、複数の収益不動産を取得、、、、、と夢を見ているのであれば
中古アパートから入るほうが近道となるかもしれません。



一応、説明しておくと
空き室率を15%としていますので、経営努力で改善すれば、毎月の手残り額は増えます。
また、融資期間が15年となっていますが、これをより長期間の融資とすれば、毎月の手残り額は増えます。

■まとめ

中古アパートでの不動産投資は、比較的投資額小さいため、サラリーマンには向いています。
そのかわり、銀行融資が困難になるので、そこを乗り越える必要があります。

ただし、修繕費用などが大きくなる可能性もありますので、厳しい状態でも大丈夫なように辛めのシュミレーションをしたうえで、投資を実施したほうがいいでしょう。

新築アパートでの不動産投資は、投資額が大きくなりますが長期間の銀行融資が可能となるので、初期段階での手残り額は大きくなります。

ただし、そのアパート経営を30年以上続けていくことになりますので、遠い未来の老朽化リスクに向けて、資金を積み立てていくなどの計画性が求められます。


サラリーマンが一番メリットを感じる不動産投資といえば、『あたり』の中古アパートを相場よりもかなり安く手に入れることになるでしょう。

よく、巷で騒がれている本に書かれている手法も、だいたいこの投資法です。

ただし、これは宝くじに当たったようなレベルの『運がよかった人』が書いているような場合も多いので注意が必要です。
※当然、そのひとの実力もあったのでしょうが、初期段階で運が良かったという意味で

事前勉強では、正確に事実を見て、ものごとをとらえることも必要です。
『あたり』ではない中古物件を購入しても、資金がまわるかどうか確認してから投資するようにしましょう。

ただ、中古アパートで大切なことは、中古のメリットである『安さ』を最大限に活かすことです。

より安く手に入れる努力が、その後のアパート経営に与える影響は計り知れません。
高い中古物件を買ってしまえば、あとでどんなに努力しても終わりです、、、、。

中古物件を買うのであれば、相場観を養うためにも、数多くの物件を見て回ることも重要ですね。


どちらにもメリット、デメリットはあります。
あなたが、どこまでの収益を目指すのか。どこまでのリスクをとれるのか。そういったことを考えながら『新築』か『中古』かを選べばよいと思います。


(関連ページの紹介)
コラムNo18 『新築と中古はどっちが儲かるの?』



HOME-サラリーマン不動産投資入門