新築と中古はどっちが儲かるのか?|サラリーマン不動産投資入門

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不動産投資コラムNo18 『新築と中古はどっちが儲かるのか?』

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■新築と中古はどっちが儲かる?

コラムNo17で、『新築木造を30年間運営した時の事例』をシミュレーションしました。
(参考:コラムNo17 『不動産投資って儲かるの?』 )


利回り:10%
購入額:5000万円(土地2000万円、建物3000万円)
構造:木造
築年数:0(新築)
融資状況:30年ローン、金利2%


上記のような新築アパートを30年間運営して得られる『儲け』は1347万円でしたね。
※詳しくは前回のコラムを




それでは、中古物件だとどうなるでしょうか?
中古木造アパートの場合でシミュレーションを実施してみます。


利回り:10%
購入額:5000万円(土地4000万円、建物1000万円)
構造:木造
築年数:築20年
融資状況:10年ローン、金利2%




仮にこんな収益物件だとします。
前回のコラムでシミュレーションした新築アパートと同じように、利回り10%だとして計算してみましょう。


これを運営して30年たったらどうなるでしょうか?
順番に考えていくことにします。




■返済額はどうなる?

10年間の返済額を計算すると、

返済総額:55,208,011円
(元金返済:5000万円 支払利息:5,208,011円)

になります。


■収入はどうなる?

家賃収入を考えていくと、利回り10%ですから満室想定で年間500万円の家賃収入となります。
でも、中古を満室にするのは大変です。空室が多いかもしれません。

仮に2割空室だとすると(ちょっと辛めに)、400万円が年間家賃収入です。


築20年の物件が30年もつかどうかは議論の分かれるところですが、きちんと大規模修繕を定期的にやったりと維持管理をしていけば大丈夫でしょう。
それなりに、経費はかけないとボロボロになってしまいますが。

そうして築50年まで運営したとします。
築50年での年間家賃収入が200万円になってしまったとします(これも辛めに)



すると30年間での家賃収入は、(400万円+200万円)÷2×30 = 9000万円  



で、ざっくり計算して9000万円くらいになります。



これが全部利益になる訳ではありません。


通常の経費に掛かる割合が25%だとして 2250万円かかります。
10年毎の大規模修繕(外壁塗装、屋根塗装、防水工事、水回り設備交換など)に、ざっくり1450万円と想定します。


これらの経費と税金などを考慮すると4000万円程度の利益でしょう。
30年間で4000万円の利益です。
(新築のシミュレーションよりも低いですね)



■30年後の資産価値も考えないと


30年後の資産価値も考えないと儲かったかどうかは比較できません。

30年経ったら建物の価値は 0円 です。とっくに耐用年数の22年を過ぎていますから。
なんといっても築50年です。。。。。


土地の価値は残りますから、購入時と同じ想定なら4000万円の資産価値が残ることになります。




これを考慮すると、結果は?





支払った金額:5520万円
30年後の資産価値:4000万円
30年間の運用益:4000万円






ということは、、、、、



4000万円 + 4000万円 - 5520万円 = 2480万円



で、30年間 頑張って経営した結果が、2480万円の利益ということになります。



新築で30年間運営したシミュレーションでは1347万円でした。
その差額は、なんと 1133万円にもなります!




これだけみると、中古物件のほうが収益性は高そうです。
ただし、中古物件は何が起こるかわからないリスクがあります。
その分だけ収益性が高いとも言えます。



■『新築と中古』収益性が違う理由は?

このような違いが出た理由を考えてみると、

@中古物件は、売買価格に対して、土地値の占める割合が高い。これにより、30年後も土地の資産価値が残存する。
※シミュレーション上では土地の価格が30年後も同じ前提。土地値下落リスクは別途見積もり必要あり。

A中古物件は10年ローンと短期間である。このため支払利息の合計額が低いことも要因。


という2点が大きく関係しています。



中古木造アパートの方が収益性が高いから、そっちにしよう!  という簡単な話でもないということです。

ずっと、持ち続けることができれば中古木造アパートの方が収益性が高いですが、短期ローンしか組めないので最初の10年間はキャッシュフローが厳しくなります。また、突発的な修繕が重なったタイミングを乗り越えるだけの資金が必要です。

収益性が高いかわりに、それなりの苦労をともなったり、リスク高くなったりするということですね。
難しい選択です。自分にあった投資手法は人それぞれですから、よく考えましょう!




(関連ページの紹介)
コラムNo17 『不動産投資って儲かるの?』

中古と新築はどっちが良い?



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