前回のコラム(サラリーマン大家が選ぶべき管理方法はこれ!)
で書いたように、おすすめの管理方法は『委託管理と自主管理』の中間です。
ここでは、その具体的な内容や、金額のシミュレーションを通してイメージをつかみやすいようにしていきたいと思います。
サラリーマン大家にとって、大きな味方である『管理会社』ですが、
言いなりになっていると収益がどんどん少なくなってしまいます。
そこで、
『管理会社におまかせした場合』と
『自分でできることはやってみるスタイルの場合』とで
退去時の原状回復費用にどのような違いが出るのか見てみましょう。
シミュレーションを行うにあたり
前提条件として、以下の物件と仮定します。
・購入価格 4,320万円 (利回り10%)
・融資状況 3,820万円の借入(15年、2%) ※頭金500万円だったとします
・1部屋 3万円 × 12戸(ワンルーム) の 木造アパート(築15年)
・平均で3年に1回の退去がある
■管理会社におまかせした場合のシミュレーション
原状回復を管理会社におまかせしている場合は、見積書(もしくは請求書)として以下のような金額でお願いすることになるでしょう。
一般的な原状回復費用の例
↓↓↓
【退去時の原状回復費用の一般的な見積もり事例】
クロス貼替 50u × 1200円 = 60,000円
換気扇交換(風呂) 工事一式 35,000円
扉 取っ手交換(居間) 8,000円
ドアスコープ交換 3,000円
ハウスクリーニング 工事一式 35,000円
合計 141,000円
上記金額 141,000円を退去時の原状回復費用として見積もります。
3年に1回 退去があるということは、年に4戸の退去が発生すると予想されます。
この条件で、シミュレーションを実施すると
原状回復費用 141,000円 × 4戸 = 564,000円
となり、年間で 564,000円 が退去にあたって必要となります。
■自分で業者を手配した場合のシミュレーション
管理会社に言われるがままの工事をするのではなく、
もっと安く手配したい場合は、こんなイメージです。
↓↓↓
【退去時の原状回復費用の一般的な見積もり事例】
クロス貼替 50u × 800円 = 40,000円
→自分でクロス貼替業者を手配
換気扇交換(風呂) 工事一式 20,000円
→自分で電気設備工事業者を手配
扉 取っ手交換(居間) 4,000円
→自分でホームセンターで購入して交換
ドアスコープ交換 1,000円
→自分でホームセンターで購入して交換
ハウスクリーニング 工事一式 20,000円
→自分でハウスクリーニング業者を手配
合計 85,000円
上記金額 85,000円を退去時の原状回復費用として見積もります。
3年に1回 退去があるということは、年に4戸の退去が発生すると予想されます。
この条件で、シミュレーションを実施すると
原状回復費用 85,000円 × 4戸 = 340,000円
となり、年間で 340,000円 が退去にあたって必要となります。
両者の違いは、年間で 224,000円 にもなります。
シミュレーションを掘り下げてみましょう。
■収入の面では
満室想定での賃料収入が
1部屋 3万円 × 12戸 × 12か月 = 432万円
となり、432万円です。
空室率が5%だったと仮定すると
年間賃料収入が 410万円 くらいになります。
■支出の面では
3,820万円の借入(15年、2%)ですから、年間返済額が 295万円 くらい
管理会社へ支払う管理料が5%だとして、 19.4万円 くらい
入居付けの費用などが 年間4戸分で 24万円 くらい
その他の雑費が 10万円 くらい
固定資産税が 10万円 くらい
原状回復費用は、前述のとおり
管理会社におまかせ → 年間 564,000円
自分で手配&自分で実施 → 年間 360,000円
※ここでは、大規模修繕(外壁、屋根など)の積立金は考えないこととします
ということは、これをまとめると、、、、、
■年間賃料収入
410万円
■年間支出
管理会社におまかせ → 416.8万円
自分で手配&自分で実施 → 394.4万円
となりました。
年間22400円の違いですが、それが赤字と黒字を分ける境界線にもなりかねない状況が分かってもらえればイメージはバッチリです。
ざっくりとしたシミュレーションですので、いろいろ省略していますが(笑)
融資状況によっても、大幅に変わります。
経費も、本当はもっとあります。
突発的な修繕もあるので、自分で手配すれば本当はもっと効果があるでしょう。
ただ、このざっくりとしてシミュレーションで言いたいことは
『管理会社に任せっきりで、経費を考えないサラリーマン大家さんにならないでください』
ということです。
それさえ伝わっていれば、嬉しいです♪